自然素材を住宅を建築する際に、取り入れたいと考える方は多くいます。実際、僕の自宅も一室を珪藻土で塗りました。
珪藻土の特徴として、調湿作用が一番に取り上げられますが、これは、ある一定の条件をクリアして初めて珪藻土のもつ特性が最大限発揮されます。
それは使用量です。
珪藻土は使用する「量」で決まるのです。
今回は自然素材の代表格の珪藻土について考察していきます。
目次
珪藻土の特徴を見てみよう
珪藻土は、自然素材住宅において非常に重宝される素材ですよね。機能性が重視されますが、豊富なテクスチャー(質感や表面の様子)などから分かる通り、視覚的にも暮らしている僕たちに恩恵を与えてくれます。
以下は珪藻土の特徴をざーっとまとめてみました。
吸湿性と放湿
珪藻土は非常に優れた吸湿性と放湿性といった機能を持っています。これは、珪藻土が微細な孔を多く持つ多孔質のためです。湿度が高い日は室内空気中の水分を吸収します。湿度が低くなると吸収した湿気を放出します。このような作用によって室内の湿度を適切なrベルに保つことができます。京都のような夏の湿気がひどい地域には積極的に採用を考えれば、快適な室内空間を実現することができますね。ただしです、後述しますが、気をつけなければいけない点もあります。
調湿効果
先にも書きましたが、吸放湿性により、珪藻土は室内の湿度を自然に調整してくれます。これはカビの抑制や、冬場の静電気の軽減にも役立ちます。
消臭効果
珪藻土は実は消臭効果もあわせもっています。この特性も多孔質性によるものです。タバコであったり、ペットの臭いなど、色んな匂いを吸収し消臭効果を発揮します。
耐火性
珪藻土は耐火性に優れている素材です。
環境に優しい素材
珪藻土は自然由来の素材であるため、生産過程での環境負荷も少なくすみます。また、使用後も土に戻るため、優秀なサスティナブルな建材です。僕の自宅にはしば犬のMAXがいます。変わった習性というかそういう風に育てちゃったって言った方がいいでしょうね。オシッコであったりを必ず庭の砂場で行います。こうなると臭いの問題が発生します。この時優秀な消臭効果を発揮するのが、珪藻土であったり、消石灰です。犬のオシッコは酸性なので、アルカリ性質な珪藻土などを砂に混ぜると、匂いは無くなります。
装飾性
珪藻土はその自然な質感(テクスチャー)が美しく、インテリア建材としても価値が高いです。コテムラや波型といった技法を持たせるだけで、他にはないデザインウォールを創り出してくれます。
DIY施工
珪藻土のような塗り壁材はDIYで行うのが良いでしょうね。綺麗に仕上げることも需要ですが、家族総出で壁を共同作業で塗る体験っていうのは、かけがえのないものとなります。僕たちが考える場合、こういった家族の思い出あったりといった側面にフォーカスします。
珪藻土を使用することで、自然素材の温もりを感じるだけでなく、機能的なメリットも大いに享受できます。自然素材住宅において、これらの特性を活かした快適で健康的な住環境を実現するためには、珪藻土は非常に重要なアイテムと言えるでし
珪藻土にカビが・・・
珪藻土は調湿効果について非常に優秀な建材です。ですが、そんな優秀な珪藻土にも弱点はあります。それは、飽和してしますということです。
珪藻土の調湿効果について、その塗り厚や施工範囲が影響するという点は重要です。以下、そのメカニズムと関連する問題について解説します。
塗り厚の影響
珪藻土の調湿能力は、その多孔質の特性から水分を吸収し、放出することで実現されます。ですが、石膏ボード下地で塗厚が5mm程度だとこの機能性は制限されます。厚く塗れば塗るほどより多くの水分を一時的に蓄えることができますので、室内の湿度変化に対して効果的に対応できます。テクスチャーなどを活かして、厚く塗るようなイメージを持つことが重要となります。
施工範囲の影響
珪藻土の施工範囲が限定的な場合、その効果は部分的にしか得られません。広範囲にわたって珪藻土を使用することで、室内全体の湿度を均一に調整し、最大限の調湿効果を得ることができます。
広範囲ってどれくらいかというと、居室の壁全部です。例えば寝室に珪藻土を使用するなら天井以外全ての壁で採用することが重要となります。アクセントウォールとして珪藻土を採用する場合、寝室などは特に夜間に加湿をしたり、呼気からの水蒸気によって、珪藻土が飽和状態になります。
飽和
珪藻土が飽和状態になると、そ例外の水分を吸収することができません。この湿度が高く、飽和(水分を溜めておくことができない状態)状態が続くと、カビの発生リスクが高くなります。珪藻土は調湿作用があって湿気に強いからカビは発生しない。というのは都市伝説です。珪藻土の表面にカビが発生するケースは少なくありません。特に施工厚が薄い場合や施工範囲が少ない場合には、珪藻土の飽和速度は高まります。
珪藻土にも限界はあります。珪藻土を採用する場合、人工的な加湿は厳禁となります。また、しっかりと厚塗り施工できるテクスチャーの採用なども考慮する必要があるでしょう。
珪藻土のポテンシャルを発揮させる方法
下地はボードで大丈夫
珪藻土を施工する場合、施工下地を調湿作用のものにわざわざ変更する必要はありません。石膏ボードで大丈夫です。重要なのは、塗り厚をしっかりと確保する。施工範囲をできるだけ広く確保するです。
適切な塗り厚
珪藻土を使用する際は、できる限り厚く施工することを考えます。1ー2センチ程度の塗り厚を確保するように心がけます。テクスチャーなどを工夫することで、厚く施工することができます。
ただ、闇雲に厚く塗れば大丈夫ということではありません。厚く塗れば使用材料が増えます。コストがかかるのです。大切なのはバランスです。
テクスチャーを工夫し、適度な厚みを確保しすることで、珪藻土のポテンシャルは解放されます。
広範囲の施工
調湿効果を最大化するためには、可能な限り珪藻土の施工範囲を広げます。居室の1面だけを塗るとかではありません。4面全部を塗るぞ。という決心が必要となります。部屋の壁を珪藻土で施工することで、全体的な調湿機能を向上させることができます。
調湿効果を最大化するためには、可能な限り広範囲にわたって珪藻土を施工することが効果的です。特に、部屋の主要な壁面全体に適用することで、全体的な調湿機能を向上させることができます。
定期的なメンテナンス
珪藻土壁の状態を定期的にチェックし、必要に応じて再塗布や修復を行うことが重要です。これにより、常に最適な調湿性能を維持することができます。
まとめ
珪藻土は使い方によっては悪にもなり正義にもなります。大切なのは、珪藻土にも水分を蓄える許容範囲があるということです。
- 塗り厚をテクスチャーを生かして集めに塗る。
- 施工範囲を室内全体に採用する
しっかりと珪藻土の特徴や機能性を理解し、採用する範囲などを検討することが重要です。
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